- 2007年5月17日
- うつ
うつ、うつ状態、うつ病について5(病前性格論)
うつ病になりやすい性格としては執着気質、配慮性、完全性、熱中性等が挙げられています。現行の診断基準では診断基準内に性格傾向は含まれません。いくつかのうつ病の症状を挙げて、一定数を超えた場合診断がつくという症候論的操作主義の立場で診断します。臨床経験上は病前性格論はそれなりに妥当であるようです。ただし、現代人の疲弊うつ病に関しては、性格論を持ち出す必要はあまり感じられません。
うつ病になりやすい性格としては執着気質、配慮性、完全性、熱中性等が挙げられています。現行の診断基準では診断基準内に性格傾向は含まれません。いくつかのうつ病の症状を挙げて、一定数を超えた場合診断がつくという症候論的操作主義の立場で診断します。臨床経験上は病前性格論はそれなりに妥当であるようです。ただし、現代人の疲弊うつ病に関しては、性格論を持ち出す必要はあまり感じられません。
いつくかの一定の重症度をもった症状が揃わないとうつ病との診断がつかないことは前述しました。それではどのような状態がうつの前触れなのでしょうか? 最も典型的なのは思考や運動(体の動き)の速度の低下だと考えられます。頭の切り替えが出来ずテキパキさがなくなって残業が増えるとか、同時にいくつかのことが出来なくなる、ちょっとした移動が邪魔くさい等が社会人にとっては前駆状態として典型的だと思われます。
中等度以上のうつ状態でも本人や周囲が気づかないことはよくあります。仮面うつ病と言われるものや、重度のうつで疾病否認をしている場合もあります。また、周囲が気づいても本人が否認したり、決断が着かないで受診のタイミングが遅れることがあります。うつは働き盛りの時期に発症することが多く、本人や家族、社会経済的にも大きな損失です。
気分の問題だけでなく、パニック症状、自律神経症状、睡眠障害等が目立つ場合があります。様々な症状の根本がうつであることに気づくことが困難な場合もあります。中等度以上のうつでは職業や学業の遂行に障害が生じ、通勤や通学が出来なくなることがあります。
直接的には感情や気分がダウンしていることです。そんなことは誰にでもよくあることなのですが、その程度やそれ以外の症状がある程度揃っていなければ診断はできません。抑うつ気分、意欲低下、興味や喜びの喪失が3大症状です。