和歌山県和歌山市美園町のメンタルクリニックおおや

JR和歌⼭駅ステーションビルMIO 5F

診療予約(予約優先)

073-427-0008

おおや通信
NEWS

体内時計(4)

体内時計は約25時間周期であることは先に述べました。ところで、人が健康的な生活を営むためには何時間の睡眠が必要なのでしょうか? 多くの方は6時間から8時間と考えられていますが、その人にとって必要な睡眠時間は個人差があります。その人にとって最も適切な睡眠時間を至適睡眠時間といいます。これを把握するには睡眠日誌をつけることが便利です。その人が至適睡眠時間より短時間の場合、昼間眠くなったり、休日の長時間睡眠となります。長く寝すぎると睡眠リズムの乱れが生じ、結局睡眠時間にムラが出ます。寝過ぎでも、体調は悪化します。

体内時計(3)

 

体内時計は約25時間周期、1日(地球の自転周期)は24時間です。この1時間を埋めるのは同調因子と言われる外的な刺激です。例えば、朝7時に目覚ましが鳴る、12時に食事を摂る等が同調因子です。もっとも強力な同調因子は目覚めた際の光です。次には、朝ご飯を摂ることです。朝日と朝食での胃への刺激が、体内時計を狂わせないためにも大切です。

体内時計(2)

人の体内時計の周期は約25時間と、地球の自転周期より1時間長いことになります。土日の休日をフリーラン的(例えば、朝は眠りたいだけ眠る、入眠時刻を特に意識しない等)に過ごせば、月曜の起床時の体内時計は約2時間遅れることになります。「月曜の朝が苦手」とおっしゃる会社員の方は多いのですが、このことも「苦手」の原因のひとつと考えられます。

 

体内時計(1)

人の細胞の一つ一つに時計遺伝子が組み込まれており、体内時計の中枢は脳(視交叉上核)にあることが判っています。人の体内時計の周期は約25時間とされ、社会的時間の24時間周期、自然的周期の約24時間より長いのです。つまり、刺激を与えられずに「勝手に生活して下さい」とのフリー・ランの条件下では、1日に1時間ずつ遅く眠くなったり、自律神経やホルモンの周期が1日に1時間ずつ遅れることになります。

睡眠障害総論1

睡眠障害には不眠、中途覚醒、早期覚醒、過眠、浅い睡眠、日中の眠気等が指摘されますが、要は一日の睡眠・覚醒リズムの障害(夜間と日中の覚醒水準の差が小さい、昼夜逆転での睡眠位相の乱れ)と入眠困難・睡眠中断のし易さに集約されると考えられます。このうち治療としては後者が主としてターゲットであり、眠前に睡眠薬や鎮静作用のある抗うつ薬を服用して頂き、速やかに入眠して頂いたり睡眠の中断を回避しようとします。朝に眠気を感じられる方が多いのですが、眠前薬の持ち越しというよりはうつ状態による覚醒の立ち上がりの悪さやリズムの乱れが原因である方が多いと考えられます。作用時間や半減期から考えて、薬の影響とは考えにくい場合が多いのです。

体内時計と肥満

体内時計が乱れると、入眠困難、中途覚醒、早期覚醒、日中の強い眠気等が生じます。仕事の効率が落ち、疲れやすく、事故やミスも出現しやすくなります。それだけでなく、肥満化が生じるとも言われています。また逆に、肥満が体内時計を狂わせるとの研究報告もあります。早寝早起き、規則正しい食事は、体内時計を守り、肥満防止に役立つことにつながります。

睡眠学

デジタル機器の発達で,長時間の脳波記録が可能になりました。かつては記録紙に保存されたデータが今はディスクに保存可能です。このことが睡眠に関する知見を飛躍させました。磁気記録されたデータをパソコン画面で閲覧したり,計量化することができます。

昼寝1

文部科学省に「快適な睡眠の確保に関する総合研究班」というのがあるそうです。それによると、午後の眠気を改善するには、①15分程度の短時間仮眠、②仮眠前にカフェインを飲むこと、③仮眠直後に太陽光などの高照度を浴びること等が推奨されています。午後2〜3時ごろに眠くなることは生理的なものです。その時間帯以外に強烈に眠くなるとすれば、お気をつけ下さい。

至適睡眠時間

昨日TV番組で睡眠時間の話題が放送されていました。成人では通常5〜8時間の至適睡眠時間が常識的で、人によってはそれよりも短時間でよいショート・スリーパー、それより長時間を要するロング・スリーパーが存在するとのことです。午後に眠くなるのは夜間の睡眠の質を上げる助けとなるそうです。ただし、せいぜい15分から30分程度で、うたた寝がいいそうです。昼食後20分程度全員で昼寝をする学校が紹介されていました。うたた寝ができなくとも目を閉じることで視覚刺激を遮断する効果があり、夜間の睡眠の質を上げるそうです。

うつ状態での睡眠障害

(以下は再記です。)

睡眠障害は不眠、中途覚醒、早期覚醒、過眠、浅い睡眠、日中の眠気等が指摘されますが、要は一日の睡眠・覚醒リズムの障害(夜間と日中の覚醒水準の差が小さい)と睡眠中断のし易さに集約されると考えられます。このうち治療としては後者がターゲットであり、無理にでも眠前に睡眠薬や鎮静作用の強い抗うつ薬を服用して頂き、睡眠の中断を回避しようとします。朝に眠気を感じられる方が多いのですが、眠前薬の持ち越しというよりはうつ状態による覚醒の立ち上がりの悪さが原因であると考えられます。作用時間や半減期から考えて、薬の影響とは考えにくい場合が多いのです。