- 2007年9月25日
- 睡眠
睡眠について9(不眠の分類5)
前記3の内科的/精神科的障害と関連する睡眠障害では、その疾患そのものの治療が睡眠障害の治療になります。内科疾患が睡眠障害を惹起することは以外に多く、内分泌や自律神経が障害される疾患は日内リズムが撹乱され睡眠障害を導くことは容易に想像されます。また、うつ病や神経症でも不眠はほぼ必発と言えそうです。不眠が内科的/精神科的障害を増悪させることがありますから、その場合は睡眠障害の治療を並行して行う方がいいでしょう。
前記3の内科的/精神科的障害と関連する睡眠障害では、その疾患そのものの治療が睡眠障害の治療になります。内科疾患が睡眠障害を惹起することは以外に多く、内分泌や自律神経が障害される疾患は日内リズムが撹乱され睡眠障害を導くことは容易に想像されます。また、うつ病や神経症でも不眠はほぼ必発と言えそうです。不眠が内科的/精神科的障害を増悪させることがありますから、その場合は睡眠障害の治療を並行して行う方がいいでしょう。
睡眠は、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠のセットで成り立っています。このセットが一晩に3〜4回繰り返されます。レム睡眠期では脳は活発に働き夢を見ており、筋肉は弛緩しています。このとき覚醒が中途半端に起こると、夢を見ながら覚醒しており体は動かせない状態となります。これはいわゆる「金縛り」を説明するひとつの理論です。前記2の睡眠随伴症の一例です。
前記1の睡眠異常には、「眠れないのでは」と過度に不眠を気にするあまり余計に眠れなくなる精神生理性不眠もあれば、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群も含まれます。治療側からすればこれらの対応はまったく異なります。精神生理性不眠では睡眠薬の不定期的な使用で対応することがありますが、睡眠時無呼吸症候群では睡眠薬によって筋弛緩が起こり余計に無呼吸回数や時間を増やしてしまうこともあります。ナルコレプシーでは日中の覚醒度を上げるため覚醒作用のある薬物を使用することもあります。
ICSD(睡眠障害の国際分類)によると、睡眠障害の大分類は1.睡眠異常、2.睡眠随伴症、3.内科的/精神科的障害と関連する睡眠障害に分類されます。例えば昼夜逆転は概日リズム性睡眠障害で1に、悪夢は2に、うつ病による不眠や過眠は3に含まれます。
不眠をどのように分類するかは諸説があります。ある睡眠学の専門書によると84種類に分類されます。これでは専門的で細かすぎ、決して臨床的意義が高いとは言えません。DSMでは13に分類されます。ただしこれではかなりはっきりした不眠状態までは診断閾値に達しません。管理人の経験では、神経症やうつ状態、アルコールによるものが多いとの実感です。人間は高齢になればなるほど生理的に睡眠時間が短くなる生物です。生理的な睡眠短縮か、病理的な睡眠短縮や質の低下(不眠症)かは、判別が困難なことがあります。