うつ状態の治療で最も大切なのは休養であることは前述しました。学校や仕事のために休養が十分にとれないことはよくあります。実際、薬物治療を受けながら通院・通学をする方はたくさんおられます。治療的な観点からはこれは中途半端な治療なのですが、社会的観点からは致し方のないことかも知れません。したがって休養するかどうかの分岐点は病状の程度と周辺状況の組み合わせで決まってきます(重症で本人の意思を尊重し難い場合も稀にあります)。また休養するか否かで薬剤の処方もずいぶんと違いがあります。「休んで頂いたら思い切った薬物治療もできるのに…」と思うことがよくあります。うつになる前に休養を上手にとりたいものです。