疲弊によるうつ病の治療の第一は疲労の回復(休養)です。適応障害的なうつ状態では原因の除去や本人の対応や心的処理方法を考えることが重要です。身体的要因(甲状腺機能低下症やホルモン異常(所謂更年期障害)等)によるうつ状態では身体的な治療が重要です。しかし何れのケースであっても、抗うつ薬の服用は有効であることが多いのです。うつの原因やひきがねが如何様であっても、脳の中の状態はほぼ一様です。そこに抗うつ薬が作用するわけです。
疲弊によるうつ病の治療の第一は疲労の回復(休養)です。適応障害的なうつ状態では原因の除去や本人の対応や心的処理方法を考えることが重要です。身体的要因(甲状腺機能低下症やホルモン異常(所謂更年期障害)等)によるうつ状態では身体的な治療が重要です。しかし何れのケースであっても、抗うつ薬の服用は有効であることが多いのです。うつの原因やひきがねが如何様であっても、脳の中の状態はほぼ一様です。そこに抗うつ薬が作用するわけです。
うつ病での典型的な不眠は、睡眠中断(中途覚醒)と早朝覚醒です。寝付きは案外スムーズです。夜中に何度も目が覚めたり早朝に覚醒してそのまま起床時刻まで再入眠ができません。日中には眠気が出現し、睡眠と覚醒のメリハリがなくなります。その意味でうつ病は睡眠と覚醒のリズムを撹乱する病態とも言えます。この撹乱は起床後なかなか気分や体が活動を開始しないというモーニング・メランコリアとも関係します。うつ病の治療開始時に、「睡眠薬が残って朝方眠くてしょうがない」との発言が患者さんからよく聞かれますが、うつ病自体が寝起きが悪いこともあり、睡眠薬か残ったか否かは微妙です。専門医がいきなり長期作動型の睡眠剤を処方することはまず無いのではないでしょうか?
現行診断基準では原因論や病前性格論が登場せず、もっぱら症候論的記述の診断基準を満たすか否かで診断されることは前述しました。この診断基準の立場を操作主義といいます。よく「ストレスでうつになった」との表現がなされますが、このような原因論的な考え方を診断基準は採っていません。原因論的な記載は主観性を排除できない訳です。ただし、所謂ストレス(ストレッサーと表記すべきでしょうが)がうつの引き金にならないとは誰も考えないでしょう。
前記3の内科的/精神科的障害と関連する睡眠障害では、その疾患そのものの治療が睡眠障害の治療になります。内科疾患が睡眠障害を惹起することは以外に多く、内分泌や自律神経が障害される疾患は日内リズムが撹乱され睡眠障害を導くことは容易に想像されます。また、うつ病や神経症でも不眠はほぼ必発と言えそうです。不眠が内科的/精神科的障害を増悪させることがありますから、その場合は睡眠障害の治療を並行して行う方がいいでしょう。
睡眠は、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠のセットで成り立っています。このセットが一晩に3〜4回繰り返されます。レム睡眠期では脳は活発に働き夢を見ており、筋肉は弛緩しています。このとき覚醒が中途半端に起こると、夢を見ながら覚醒しており体は動かせない状態となります。これはいわゆる「金縛り」を説明するひとつの理論です。前記2の睡眠随伴症の一例です。
9月19日(水)は入居テナントビルの休館日のため休診します。また、9月25日(火)は院長不在のため休診します。ご迷惑をお掛けします。また、9月17日より心理部門は月、水、木、金の週4回となります。予約は随時ですので、お電話やメールでお問い合わせ下さい。10月にはホームページの更新・改編を行います。ふくろう(梟)がいよいよ飛翔します。
前記1の睡眠異常には、「眠れないのでは」と過度に不眠を気にするあまり余計に眠れなくなる精神生理性不眠もあれば、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群も含まれます。治療側からすればこれらの対応はまったく異なります。精神生理性不眠では睡眠薬の不定期的な使用で対応することがありますが、睡眠時無呼吸症候群では睡眠薬によって筋弛緩が起こり余計に無呼吸回数や時間を増やしてしまうこともあります。ナルコレプシーでは日中の覚醒度を上げるため覚醒作用のある薬物を使用することもあります。