HPのMENTAL CLINIC OYAの左に梟がいます。遠慮勝ちに木にとまっています。これは、大阪市在住の友人W.Y.さんのデザインで、川崎市在住のS.K.さんの配色によるものです。
HPのMENTAL CLINIC OYAの左に梟がいます。遠慮勝ちに木にとまっています。これは、大阪市在住の友人W.Y.さんのデザインで、川崎市在住のS.K.さんの配色によるものです。
うつ病の①病勢期の前には、病前期が考えられます。大きな心理的ショックによりうつ状態が比較的速やかに出る場合(適応障害によるうつ状態)もありますが、発症前の前段階としての病前期が想定される場合が圧倒的に多いと考えられます。疲労感や不眠、食欲不振や身体的不定愁訴が気分の抑うつより以前に存在します。ただし、それら症状があるからといって必ず診断基準を満たすうつ状態に陥るとは限りません。「疲れているから休む」という当たり前のことが出来にくい時代です。ご注意下さい。
うつ病の治療法は、薬物療法や精神(心理)療法に大別されますが、これらの組み合わせ方や比重は治療の時期や患者さんの病状や周辺状況に依存します。うつ病の経過を①病勢期、②回復期、③リハビリ期に分けられるとします。
①の時期は休養と服薬が主であり、認知療法や行動療法は通常行いません。
②では睡眠・覚醒リズムの改善や薬物の副作用の確認、短時間の精神療法が中心です。
③では職場や学校に戻るための生活リズムの改善や活動する自分のイメージ形成、再発しないための心がけの形成等が大切で、行動療法や認知療法が役立ちます。
最後に、患者さんが自分の弱点に気づいて頂ければ、スムーズに会社や職場に復帰できます。
英語ではともに“MOOD”です。不景気もうつ病も“DEPRESSION”です。1929年の世界大恐慌は“THE GREAT DEPRESSION”で、大うつ病は“MAJOUR DEPRESSION”です。好景気の後には不景気が来やすいのと同様に、そう状態の後にはうつ状態が来やすいものです。一国や世界の景気の舵取りとして、金融政策や財政政策、システム改革があるのと同様に、人の気分の調整にはそれなりの医学的な対応策があります。個人や一国の景気が周囲に影響され、自力本願だけではどうしようもないのと同様に、人の気分も自力本願だけではどうしようもないことがあります。
この言葉の意味を現時点では以下のように解釈しています。この言葉は「人生や社会の終末が近づいた時知恵が救いとなる」ということではなく、「物事の終わりになってやっと理屈ができて解釈可能になる」という哲学や人間の思惟・思考の限界を述べたものです。結局、「理屈を捏ねる前に行動するしかない」ということでしょうか?そのような一年であったと私は思っています。来年も良い年にしたいのですが、努力・研鑽・粘りあるのみです。行動の後に梟が飛翔するのです。
12月29日は午後も予約が途切れるまで開院します。翌30日から1月4日までは休診となります。1月5日からは通常通りの診察となります。以上よろしくお願い申し上げます。