諸事情により、カウンセリングのみのご依頼については、当分の間、休止させて頂きます。
睡眠障害には不眠、中途覚醒、早期覚醒、過眠、浅い睡眠、日中の眠気等が指摘されますが、要は一日の睡眠・覚醒リズムの障害(夜間と日中の覚醒水準の差が小さい、昼夜逆転での睡眠位相の乱れ)と入眠困難・睡眠中断のし易さに集約されると考えられます。このうち治療としては後者が主としてターゲットであり、眠前に睡眠薬や鎮静作用のある抗うつ薬を服用して頂き、速やかに入眠して頂いたり睡眠の中断を回避しようとします。朝に眠気を感じられる方が多いのですが、眠前薬の持ち越しというよりはうつ状態による覚醒の立ち上がりの悪さやリズムの乱れが原因である方が多いと考えられます。作用時間や半減期から考えて、薬の影響とは考えにくい場合が多いのです。
デジタル機器の発達で,長時間の脳波記録や動脈血酸素飽和度の測定が可能になりました。かつては記録紙に保存されたデータが今はディスクに保存可能です。解析も速くできます。このことが睡眠に関する知見を飛躍させました。磁気記録されたデータをパソコン画面で閲覧したり,計量化することができます。精神科が扱う睡眠障害も診断し易くなりました。特に,睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査に関しては,呼吸器科や耳鼻咽喉科では一般的な検査になっています。睡眠時無呼吸症候群は頭痛や昼間の強烈な眠気,意欲低下や脱力感を伴い,うつ病やうつ状態に似た症状を呈します。いびきの止まる方はまずSASを疑って下さい。精神科や心療内科は後回しで結構です。耳鼻咽喉科での鼻づまりの原因(副鼻腔炎や鼻中隔湾曲等)のチェックが第一と考えられます。