- 2007年9月4日
- うつ
うつ状態、うつ病について17(診断2)
かつては「内因性うつ病」と「神経症性うつ病」という診断名がありました。前者は執着性や熱中性、配慮性、几帳面、生真面目等の病前性格を有する者が、ストレスフルイベント(昇進、引越し、荷降し等)を引き金にして生じるうつ病で、後者は本質的には神経症であるがうつ状態が前景にでるものでした。抗うつ薬に対する反応は前者が後者を上回るとされました。また後者はそれほど重篤でないうつ状態が年余に渡ることもあるとされました。現行のICDやDSMでは、病前性格や引き金或いは特定のストレスフルイベントは診断基準には含まれず、いくつかの症候論的な基準のうち閾値以上の症状が一定数を超えるという考え方で診断します。